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以下、初心忘れるべからず

2001年8月末から、中国・大連へ赴任することになりました。以下、私がこれまで見た、あるいはこれから見る中国の様子をお伝えします。

大連

大連(ターリェン、人口160万人)は中国東北地方の最南端にあり、日本からは直行の航空便もあり、日本人には戦前からおなじみのところです。東北地方には3省があり、南から遼寧省(省都は瀋陽=シェンヤン、旧称・奉天、人口400万人)、吉林省(長春=チャンチュン、旧称・新京、人口180万人)、黒龍江省(哈爾浜=ハルビン、人口259万人)です。中国は多民族国家で、大多数が漢族で、東北地方の少数民族では満州族、朝鮮族などがいます。満州族は漢族化したため満州語は使われず、朝鮮族は吉林省の東部(延吉市の近く)に多く住んでいるといわれるが、遼寧省の瀋陽市にも朝鮮族が多く住む地区(西塔付近)があり、そこで見かける看板はすべてハングルでした。注:上の各都市の人口は講談社の「日本語辞典」によるものですが、大連の最近の人口は市街区(中山区・西崗区・沙河口区・甘井子区の4区)で290万人、大連行政市(旅順口区・金州区・普蘭店市・荘河市・瓦房店市も含む)で590万人であると注意を受けました。他の都市の最近の人口も、大きく変わっているかも知れません。

東京・成田空港から大連・周水子空港までは3時間かかります。(中国は時差で1時間遅れのため、2時間で着く感じになります。)大連から瀋陽までは飛行機で北へ1時間(列車で5〜6時間)、北京までは西へ1時間です。以前、瀋陽の南郊外にある飛行場からバスで街へ向かう時に、まわり一面の大豆畑の向こうに夕日が沈み、しばらくすると地平線に瀋陽の街並みが徐々に見えてくるのが、大変印象的でした。大連、瀋陽、長春、ハルビンの緯度は、それぞれほぼ日本の仙台、函館、旭川、稚内に当ります。

大連はもともと日清戦争(1894〜95年)後の三国干渉でロシアが旅順軍港と共に租借して街をデザインしたところに、日露戦争(1904〜05年)でからくも勝利した日本が満州侵略の基地としたもので、道路が広く、当時の大広場(現、中山広場)、西広場(友好広場)、ヤマト・ホテル(大連市賓館)、横浜正金銀行(遼寧省の貿易関係のビル)などが残っています。現在、マブチ・モーター、キャノンなど多くの日本企業の進出も盛んです。戦後、旅順と一緒に旅大(リューター、LuetaまたはLueda)市といっていた時期があり、多少古い辞書ではこの言葉が使われている場合もあります。

大学は、戦前の旅順工科大学の流れを汲む大連理工大学、戦後できた大連外国語大学、その他があります。大連外国語大学では、人数が多い順に、英語学科、日本語学科、韓国語学科、フランス語学科などがあり、ロシア語学科も1962年のロシア人引き上げで消滅状態でしたが、最近復活しています。私はこの日本語学科で日本語、コンピューター、インターネットを教える予定です。空き時間には、IT関係の方々とお話しする機会も、多いでしょう。

大連と瀋陽

大連と遼寧省々都・瀋陽には、二都物語があります。大連の方が小さな町ですが、冬は比較的寒くなく、港町で開放的で、多くの人は大連に住みたがり、外国企業も多く大連に来てます。瀋陽は大きな町で、満州族の故宮という有名な観光地もありますが、冬に寒く、基本的には近くに撫順・本渓炭田、鞍山鉄鋼所を控えた重工業都市で、最近の国営企業の悲哀を味わっています。IT産業では、最近大連理工大学のそばに「大連ソフトウェア開発パーク」を設立したところ、瀋陽の名門校・東北大学はソフトウェア開発合弁会社をここに設立しました。ただし、やり手の薄煕来(Bo Xilai)大連市長が、2001年初めから遼寧省長として瀋陽に移ったので、二都物語のこれからの展開が楽しみです。

中国・東北地方の地理

クリックしてより詳細な図へ(80Kバイト)
中国の東北地方のまわりは、南は黄海の1部である渤海と北朝鮮の国境(ヤールー川(鴨緑江)とチャンパク(長白)山脈)、東はロシアの沿海州、北は小大興安嶺山脈とアムール川(黒龍江)を経てやはりロシア、西は内蒙古自治区の草原と大興安嶺山脈を経てモンゴルになっています。川では、南の遼寧省では遼河が南西に流れて渤海にそそぎ、吉林省から北では、松花江が東へ流れアムール川に合流し、これはサハリン島の北部で間宮海峡(タタール海峡)・オホーツク海へそそぎます。松花江へ合流する牡丹江や、中ロ朝鮮国境で日本海へそそぐ図們江もあります。中央は、遼河と松花江が織り成す、肥沃な「東北平原」になっています。

中国と日本

近代史における中国の東北地方は、日本が1932年に満州国(首都は新京)を建て、ハルビン近郊の731部隊で人体実験を行ない、終戦直前に科学兵器を多量に埋めるなどして大きな迷惑をかけた地域です。戦後は一時期の中断を経て、現在は経済的・人的・知的交流を最も力を入れて進めているところです。心のこもった交流をさらに続けてゆくのが、最も大切だと思います。

折から2001年の夏は。まず6月に中国産野菜を日本が輸入制限すると発表、中国政府は対抗措置として自動車の関税を上げると発表しました。つぎに、右翼の新しい歴史教科書を作る会(西尾幹二会長)が「新しい歴史教科書」の文部教育省検定を強引に通し、「これで何が悪い」と市販本も書店に並べ、日本の大多数から非難を浴び、中国・韓国からも批判されて、大きな問題になりました。日本では中学校教科書は8冊ほど発行されていて、各地域の教育関係者が選択するため、この最右翼の教科書は幸いほとんど採用されませんでしたが、最左翼の従軍慰安婦にまで言及した日本書籍の本は80パーセントのシェアを大きく下げ、中道を行く東京書籍と帝国図書(読みやすい)がシェアを伸ばしたようです。(NHKテレビ、8月25日21:00のNHKスペシャル報道)。小泉首相は8月15日の終戦記念日に靖国神社へ行くといいだし、日本の反対者、韓国・中国からも懸念が示された中で、記念日以前に訪問。8月末には、日中政府は2007年までに主に中国東北部に埋めた化学兵器を処理することを1999年にすでに合意していて、吉林省のハルハ嶺には鉄道を敷く予定で、日本政府は2002年に250億円の予算を見込んだと報道された。私は過去のこうした事柄を十分わきまえて、中国での生活に役立てたいと思います。

参照:
北京外国語大学 | 北京第二外国語学院 | 上海外国語大学 | 青島東方外国語学院 | 煙台外国語学院 | 哈爾浜恒星外国語学院 | 解放軍外国語学院(ほとんどが中国語フォントのインストールを必要とします。)

★「日本語教育国別情報」国別一覧《中国》★

リンク:大連外国語学院(大学) | 華通産業(株) | 大連市 | 瀋陽市 | 私の自己紹介 | 大連餃子日誌(2留学生の体験談) | 大連日本人学校


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The Table of Contents
(Mostly in Japanese):

Reminding Myself of My Initial Objectives:

I will be moving to Dalian, China, from late August, 2001. I will report here what I have seen and will be seeing there in China. Please use http://www.threeweb.ad.jp/logos/china/index.html#en to read in English.

Dalian is in the southern most part of China's Northeast Region, can be accessed by direct air flights from Japan, and is familiar to Japanese from the pre-war times. There are three provinces in the Northeast Region: from south, Liaoning Province (with its capital at Shen-yang, formerly known as Mukden), Jilin Province (Zhangcun, formerly Xinjing), and Heilongjian Province (Harbin).

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Link to: Dalian University of Foreign Languages | China Communications Co., Ltd. | City of Dalian | My Self-Introduction


Created by Yoshi MIKAMI on August 23, 2001. Last update: Dec. 11, 2003.