読書(5)

Reading books – 读书 / 讀書

Bandai Highlands, Japan (2016), by Masayoshi Toyoshima

 

内容

2018.. 1

1H (2018) 1

コナ図書館で新聞と雑誌を読む、読まなかったブッククラブの2冊の本.. 1

高良倉吉著『アジアの中の琉球王国』(1998年)・浅川純著『沖縄の家族』(1998年).. 1

●Noah Hawley著『Before the Fall』(2016.. 1

Amy Tan著『The Bonesetter’s Daughter』(2001/2008.. 1

James Forrester, M.D.著『The Heart Healers』(2015.. 1

●Philip Roth著『Goodbye, Columbus』(1959、『さようならコロンバス』).. 1

2H (2018) 1

『私の履歴書 経済人36』(日本経済新聞社、2004年)から「椎名武雄」.. 1

牧村健一郎著『獅子文六の二つの昭和』(朝日新聞出版、2009年).. 1

高倉忠博著『英語発音 おもて・うらおもて』(新風舎、2004年). 1

「満州、NHK特集ドラマ『どこにもない国』を巡る」(洋泉社、2018年).. 1

●John Berendt著『The City of Falling Angels』(2006年).. 1

チェホフ全集12「シベリアの旅・サハリン島」(ちくま文庫)とコリン・サブロン著「シベリアの旅」(共同通信、2001年).. 1

●J.D. Vance著『Hillbilly Elegy』(2016年).. 1

 

 

以下は、大体米国ハワイ滞在中に米国または日本で本を読んで、何を感じたか簡単に書いた。

 

2018

1H (2018)

 

注:コナ図書館ブッククラブの2018年予定:

January - Double Edged Sword (Author in attendance - Bev will lead)

February  -  The Nightingale  - Roma Johnson 不読

March  -  Botticelli's Muse (Author might be there - Elaine Dobinson leads) 不読

April  -  Before the Fall  -  Lee Lorenz

May  -  Bonesetter's Daughter  - Antoinette Winterkamp

June  -  The Heart Healers  - Pat and Nancy Callahan

July  -  The Other Einstein  -  Patti Robinson 不読(アインシュタインの最初の妻の話で、図書館から借りて少し読んだが、面白くなさそうなのでスキップ)

August  -  Orphan Masters -- Bev Stehley不読(北朝鮮の細かい話で、あきらめた)

September  -  Big Little Lies -  Sharon Hughes不読(いかにも女性の話で、あきらめた)

October  -  City of Fallen Angels  -  Anita Walker

November  -  My Sister's Bones -- Caryl Burns 不読

December  -  Hillbilly Elegy  -  Ken Guerra

                               (From Bev Stehley, 12/09/2017)

 

コナ図書館で新聞と雑誌を読む、読まなかったブッククラブの2冊の本

 

コナ図書館は日本の藤沢でもそうだったが、我が家では大きな位置を占めている。私は火曜日の自然農園でのボランティア作業の帰りによく寄るし、ブッククラブの本を借りたり、毎月第三火曜日11:00にクラブの月例会へ出たりしている。Wall Street Journal紙を読んだり、Forbes誌やScientific American誌を読んだりするのも好きで、特にNew Yorker誌はEvan Osnosの中国分析記事があり好きだ。他の日に孫たちを連れて行くこともあり、私はそこではあまり面倒をみていなくて、上の子(小学生)は漫画を読むのが楽しみで、自分の図書カードで借りてくるが、時々overdueになってしまい、私が罰金を払わされる。下の子(幼稚園)は自分で本をあちこち探して読んでいてる。以前娘たちが小さい頃NY州でもよく図書館を利用したが、日曜日でも確か午後はやっていて感心したが、ハワイは日曜日と月曜日と火曜日午前中を休むのが不便だ。

 

ブッククラブの今月の本Alexander Rosenstein著『Double-Edged Sword』は読み終わっているが、来月の本Kristin Kannah著『The Nightingale』(2015570 pp.)は前世紀前半のフランス人姉妹の話で、ヴィシー政権下でナチに撃ち落されたフランス人戦闘機パイロットやユダヤ人を救う話しで面白そうだが、厚い本なのでなかなか読み進まない。3月の本Dorah Blume著『Botticelli’s Muse』は先月一時借りたが、これも厚い本で、イタリアのルネッサンス画家ボッティチェリの絵とモデルの女性たちの話で、クラブは2人を除いてすべて女性なので選ばれたもので、美術はあまり興味ないので返却した。(2018.01.04.)

 

高良倉吉著『アジアの中の琉球王国』(1998年)・浅川純著『沖縄の家族』(1998年)

 

来週の沖縄行きを控えて、妻が図書館から借りている本を読んだ。高良倉吉著『アジアの中の琉球王国』(1998年)は中国が明朝時代に海禁政策(鎖国政策)だったので、琉球はまず馬を中国に輸出して成功し、初め泉州、後に福州のみへ貿易が許されて(ベトナムやタイなどは杭州、日本は寧波のみへ)、そこで仕入れた中国製品を日本からジャワやマラッカなどへ仲介貿易した、進貢使たちは福州から閩江を遡り杭州を経て三千キロを北京まで通ったことなど、著者が実際に福州市などを訪問して書いたもので、私も福州へ行ったことがあり大変面白い内容だった。

 

夕方、沖縄に関する2冊目の本、浅川純著『沖縄の家族』(実業の日本社、1998年)を読もうとして、第6章「旧慣を変えたヤマトの紳士たち」のみを読んだ。この本は近代沖縄の歴史からいくつかを選んで読みやすくまとめたもので、この章は明治時代の後半になって、新潟県出身の中村十作が石垣島で真珠養殖をやろうとして向かう途中、宮古島へ寄りそこで長らく行われていた過酷な人頭税がまだ行われていて(旧勢力サムレーは農民が払えないと折檻して奴隷階級・名子ナグへ落す)、沖縄県礼に訴えても旧勢力にはばまれてきたのを見聞きして、東京の帝国議会へ直訴を提案し、そこの仲間と訴えに向かい、友人を通して「記者会見」をして当時の新聞のほぼすべてに記事が載り、日本中に知ろしめして、ついには人頭税を打倒するもの。そうかぁ、近代になって日本が併合した琉球王国には、こういう歴史があったのだな。 (2018.02.19.)

 

沖縄旅行中も飛行機の中で『沖縄の家族』を続けて読んで、著者の本名は新崎寛尚で、新崎寛直・千代の5人の子供のひとり。京都大学を出で、日立製作所に勤めたのち40才で退職して、教師を勤めた両親、特に女子工芸学校(首里城の南殿が校舎)出の千代についてこの本で書いた。沖縄の教育が名実ともに本土教育に統合されていく過程を書いたもので、終戦直前に家族で九州疎開に出かける処で終わっているが、『憧れし日本へ逃れて』(1999年)もあるので、いつか読んでみたい。私の両親も先生稼業をやっていて、東京から長野県へ家族で疎開しているので、それと重ね合わせて読んだもの。 (2018.02.24.)

 

Noah Hawley著『Before the Fall』(2016

 

コナ図書館ブッククラブの4月の本Noah Hawley著『Before the Fall』(2016390頁)を先日借りてきて読んでいる。少年の時の経験から水泳選手になり、長じてマサチューセッツ州のマーサズ・ヴィニヤード島からニューヨークへ向かう飛行機が墜落して、ある裕福な家族の少年とだけがロング・アイランドのモントーク岬で助かり病院で手当てという最初の2、3章を読んだ後に例によって最後の章を見たら、内容は複雑な愛憎物語でこれでは読み切るか分からないが、何とか読んでみよう。 (2018.02.08.)

 

本『Before the Fall』(2016390頁)を読み終わった。2月初めに借りてきて日本へも持っていったが全然そこで読めず、先週読み進めて半分読んだがもういいと、今日最後の2章を読んで読み終わったことにした。マサチューセッツ州マーサズ・ヴィニヤード島から飛び立ったプライベート・ジェット機が墜落して、乗員を含めて10人位が2人を除いて亡くなり、事故原因を探すFBIと航空関係機関の話を織り交ぜて、各人の過去を記述していき、結局テキサス州の上院議員をおじさんに持つ副操縦士のCharlesが客室乗務員Emmaに肘鉄をくらって、その腹いせに操縦士を追い出してオートパイロットを手動に変えて墜落させたというテープ録音が残っていたとするもの。導入部は面白かったが、あとは惰性で読んだだけのつまらないThe New York Times Bestsellerなんて嘘八百の本だった。 (2018.03.12.)

 

Amy Tan著『The Bonesetter’s Daughter』(2001/2008

 

ブッククラブの5月の本、Amy Tan著『The Bonesetter’s Daughter』(2001/2008381 pp.)があったので、借りてきた少し読んだ。中国の奥地生まれの女性に関してで、接骨医の家系なのだろうか、それが移民でサンフランシスコへ来てという話で、ヨガのスクールで未来の夫のArtと知り合う話が延々と続いていて、またまた女性が書いたこの小説は読み終わらない気がする。(2018.04.05.)

 

この本を読むのをあきらめていたが、火曜日にヒマになって読み切った。全体が三部に分かれていて、Part Iがサンフランシスコに住むRuthArtRuthの母親のLuLingの話で退屈なのだが、Part IIは「北京人」が発見された北京の周口店で習字の墨を作る一族のLuLingと接骨医の家系のPrecious Antie(実は実の母)の話で、火事を期にLuLingはアメリカ人が経営する孤児院に預けられ、そこでKaiJingと結婚するが、近くの盧溝橋で日中戦争が始まり、北京に孤児院ごと逃れるが、夫は日本軍に殺されたと後で分かる。戦争が終わると香港へ行き、孤児院の責任者に同伴して米国へ移る予定が、責任者が亡くなり、でもArt Specialistの資格で米国へ。Part IIIはまたサンフランシスコでの三人の話になり退屈で、LuLingの本当の姓は「谷」だったと分かるが、何が大切か分からなかくて、面白くない本だった。 (2018.05.08.)

 

James Forrester, M.D.著『The Heart Healers』(2015

 

図書館へ寄って、ブッククラブの来月の本、James Forrester, M.D.著『The Heart Healers 2015388 pp)を借りてきた。要するに、前世紀に行われた心臓外科技術の発展史のようで、身体部分や病名がラテン語で、これは大変な読み物になりそうだ。(2018.05.09.) 木曜日の待ち時間にこの本の索引を見ていたら、Akira Endoという日本人の名前を発見してその「Ch. 23 A Moldy Gift」を読んだら、面白かった。彼は三共(製薬)でコレステロール対策の薬品を始めて作ったパイオニア研究者で、ビジネスとしては三共から技術を買った米国のMerckがそれを大量生産して儲けるが、医学研究者へ与えられるLasker Awardをもらっている。まあ少し読んでみるか。 (2018.05.10.)

 

午後図書館へ行って、土地の新聞『West Hawaii Today』で火山関係の記事を読んで、次にブッククラブ関係で借りた本『The Heart Healers』を読もうとして目次を見たら「Ch. 14. The has weather’d every rack, the prize we sought is won. 」というのが見つかったので、ああこれはウォルト・ホイットマンがリンカーン大統領の暗殺を悼んだ詩の一節だと思ってこの章(30頁)は何だろうと読んでみたら、面白かった。要するに、心臓移植について地道に研究と試行を続けたアメリカのNorman Shumwayをカメに例え、1967年に突然初めて心臓移植に成功した南アメリカの医師Christiaan Barnardをウサギに例えて、後者の患者は長く生きなかったが心肺停止が死の定義ではなく、脳の停止で死を判断するようになったこと、などの要約だった。先程の詩の続きは「But O Heart! Heart! Heart! O the bleeding drops of red, Where on the deck my Captain lies, Fallen cold and dead.」で心臓外科医の本にしては大いに文学的だ、と感心した。

 

この本は「心臓病に関してどのような世界の人々が協力して進歩があったか」の本だが、実は大学時代に「量子力学が20世紀前半にどのようにして世界の人が協力して発展したか」を学んで面白かったことを思い出した。そういえば、私は前世紀後半にコンピューターの発展につれて色々と働いたのを『大連の春』の本に書いたが、これも面白かった。それからこの本の書き方で感心したことがある。索引があって助かったのと、最初の章でフィラデルフィアの心臓患者Willie the Phillieを著者が助けられなくて心臓外科を志し、それがどうやって発展したか詳しく書いたあと、最後の前の章で現在ならどのように助かったかをまとめ、しかも最後の章で『セールスマンの死』のWilly Lomanの妻が「He’s not to be allowed to fall into his grave like an old dog. Attention, attention must finally be paid to such a person.」といったのを引用して、著者は「Attention has been paid.」で結んでいて、並の人には書けない本だった。 (2018.05.23.)

 

Philip Roth著『Goodbye, Columbus』(1959、『さようならコロンバス』)

 

先週米国の作家フィリップ・ロス(Philip Roth)が亡くなり、ラジオ(HPR1)で三回の特集をやっていた。私の高校または大学のころ(多分大学)、小説『さようならコロンバス』(Goodbye, Columbus)を読んだか映画にもなった著者で、胸を躍らせた。彼はその後『ポートノイの不満』(Portnoy’s Complaint)などを色々と書いて、米国のノーベル賞候補と期待されていたらしい。水曜日午後、映画『さようならコロンバス』を見ようと思って図書館で調べたらなくて、『Philip Roth, Novels & Stories 1959-62』はあったので借りてきて、『Goodbye, Columbus』(102 pp.)だけを読んだ。

 

ニューアークにおばさんと住んでいるユダヤ人でラトガーズ大学を出たしがない図書館員のNeilが、やはりユダヤ人でラドクリフ大学から夏休みで裕福な家庭が住むニューアーク西郊外Short Hillsの帰っているBrendaとスポーツクラブで会って、仲良くなり、自然に家の他の人がいないときにセックスをする。避妊について議論があり、一応リンカーン・トンネルを経てマンハッタンで女性側の避妊器具を得る。夢のような夏休みが終り、Brendaはラドクリフ大学へ帰り、秋のユダヤ教の新年休みの前にボストンのホテルへ遊びに行ったら、丁度その時にBrendaが家に置いていった避妊用具を母が発見して、Brendaは父から続いて母から速達便をもらい、両親はセックスに対する感覚の違いで家に喜んで歓迎してきたNeilを許せない。Neilは一方的にそんなものを置いてきたBrendaを一方的になじり、ホテルを出て、ニューアークの仕事へ戻る。

 

本の題名が変だなと思っていたら、本の中でユダヤ人の結婚式をする記述があるBrendaの兄がオハイオ州コロンバスにあるオハイオ州立大学でバスケットボールの花形選手で、卒業記念に貰ったLPレコードを延々と聞かせる場面があって、おおそうだったと思い出した。ノスタルジアを十分味わった本だった。 (2018.05.29.)

 

2H (2018)

『私の履歴書 経済人36』(日本経済新聞社、2004年)から「椎名武雄」

 

先々月Wikipediaへ日本IBMもと社長の椎名武雄ページの英語版を作っていた。

https://en.wikipedia.org/wiki/Takeo_Shiina

彼は私がこの米国系コンピューター会社の日本支社へ入社した時に工場長で、その後社長になって支社を発展させて、彼の時代は私の時代と少しずれて重なる。しかし、これでは情報不足なので、先月日本へ一時帰国した時に『私の履歴書 経済人36』(日本経済新聞社、2004年)を図書館から借りて、冒頭の「椎名武雄」(77 pp.)を読んだ。大体知っていることなのだが、若い時の米国留学生活などが興味あり、英語版には二度の結婚の相手の名前を入れたいが、書いてない。彼の後を継いだ北城恪太郎社長も英語版を書きたいので『団塊世代60年の軌跡』()を図書館へ頼んだら大磯町図書館から借りてくれたが、この本の「北城恪太郎」部分にはスタッフが間違えたのだろう、他の人たちが書いている「軌跡」(自伝)が少しも書いてないので残念。(2018.07.03.)

 

牧村健一郎著『獅子文六の二つの昭和』(朝日新聞出版、2009年)

 

奥武蔵・武蔵御岳山への小旅行中、先週の『木曜サロン』@コミュニティ・ハウスで借りた牧村健一郎著『獅子文六の二つの昭和』(朝日新聞出版、2009年)を大分読み進んだ。もともと彼の『大番』に私が住んでいる所にかつて『大番』の主人公のモデルになった株屋・佐藤和三郎が作ったゴルフコースがあったので読みだしたもの。獅子文六(本名:岩田豊雄)は1920年代にパリへ遊学して、フランス人妻を伴って帰国しており、第一次大戦後フランが大幅に下がったためらしく、そのころフランスに住んだ外国人はヘミングウェイなどの米国人だけではなかったと、学んだ。 (2018.07.01.)

 

この旅行から帰って翌日、妻が孫たちを湘南台図書館へ連れて行くというので一緒にいって、獅子文六全集第8巻『大番』を借りてきて、モデルになった佐藤和三郎が我が家付近に作った「江の島カントリーゴルフ場」は終りの方に「大磯パブリック・ゴルフ場」の名称で登場するのを確認。文六は『悦ちゃん』などの大成功の後、戦時中は真珠湾で戦死した人間魚雷のひとりを扱った『海軍』などで軍に協力して、戦後は二番目の妻の実家がある四国へしばし蟄居して、一時追放の候補になるが免れ、その後『自由学校』、『大番』などをものにして、演劇の文学座にも関係して、1970年に亡くなっている。この本の著者は朝日新聞社で長らく編集を担当して、文六についてはいろいろ調べて書いたもので、感心した。また、私の両親は朝日新聞、週間朝日を取っており、「自由学校」、「大番」などの連載は時々見ており(そういえば戦後間もなくは石坂洋二郎「青い山脈」の朝日新聞連載を両親が読んでいたのも覚えている)、日本大衆文学のいい勉強になった。(2018.07.02.)

 

高倉忠博著『英語発音 おもて・うらおもて』(新風舎、2004年)

 

高倉忠博著『英語発音 おもて・うら、上達への体験的アドバイス』(新風舎、2004年)を近くの図書館にリクエストしていたら、神奈川県寒川町の図書館から取ってくれたので、借りてきた。著者は私の高校一年生の時に習った英語の先生で、当時NHK海外放送のアナウンサーをやっており、私は彼が放送する様子をNHK愛宕事務所へ見にいったことがある。2014年すでに亡くなったことを知らず、彼の本の出版社へ手紙を書いたら、ご自宅(吉祥寺)へ転送してくれて、奥様の美代子様からお手紙をいただいた。なぜNHK海外放送のアナウンサーになるまであんなに英語発音がうまかったのか知りたいと思ったのだが、両親に連れられて海外滞在したとか、交換学生をしたとかの経験はなかったようで、NHKに入ってから大分経って1年間BBCへ留学されたという。

 

始めはまとまりがない本だなぁなどと思って見ていたが、よく読んでみるとなかなか含蓄が深いというか、日本人相手に英語を教えられた長年の経験が書いてあり感心しました。例えば、LとRの研修には文章

「カラスは黒いがまれに白いカラスもみられる」

に出てくるRを全部Lに変えたり、一部をLに変えたりして生徒に練習をさせたという。また、先生は音声学会(と昆虫学会)に時々論文を寄せていたようで、マレー語・ロシア語・中国語・フランス語・ドイツ語の例なども時々あり、諸言語フリークの私には楽しい読み物になっている。あとがきに「長年にわたす資料集めに貢献されたのが、中・高・大学での先生方、都立西高のESS(昭和2829年ごろ)、...」とあり、当時あるいは我々の時期、ESSがどの先生が面倒をみていたのだろうか。私はESSには入ったことがないので。(2018.07.04.)

 

「満州、NHK特集ドラマ『どこにもない国』を巡る」(洋泉社、2018年)

 

藤沢市南図書館へ寄って、リクエストしていた本「満州、NHK特集ドラマ『どこにもない国』を巡る」(洋泉社、2018年)が座間図書館から届いていたので借りて、体育館のロビーでアイスクリームを食べながらこの本を眺めた。この大判の本は、巻頭特集、人物と事件でたどる満州国の歴史、満州と在満日本人の実像の三部構成で写真や図版も多くて、簡単に読めるいい本だ。ただし、時間がなくてよく読んでいない。(2018.07.08.)

 

John Berendt著『The City of Falling Angels』(2006年)

 

コナ・ブッククラブの本Adam Johnson著『The Orphan Master’s Son』は北朝鮮の細かな本で読めず、来月Liane MoriartyBig Little Lies』もあまりに女性的な本なので少し読んで諦めて、再来月の本John Berendt著『The City of Falling Angels』(2006年、414頁)を借りてきた。ヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場(La Fenice)が1990年代に何回目かの火災で焼けた件で、著者が何人かへインタビューしてまとめた本で、この都市は行ったことがないので感じがうまくつかめないが、どうやら完読はしそうだ。(201808.10.) 先々週から読んでいた本を、今週月曜日にほぼ読了したが、書くのを忘れていた。ヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場(La Fenice)が1996年代に火災で焼けた件を中心に、著者がヴェネツィアで会った人たちについて書いたもので、各章がそれぞれ独立しているので、15章のうち興味のある章を10章だけを読んだ。火災は結局放火で、マフィアの介入した可能性は明らかにされなかったが、やっと200312月にオープンした。(2018.08.17.)

火曜日11時からコナ図書館でブッククラブの月例会。John Berendt著『The City of Falling Angels』(2006年、414頁)を817日に読了したもので、ヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場(La Fenice)が1996年代に火災に遭って、その後再建された経過をこの町の様子と共に書いたもので、司会役AnitaiPadで関係画像をみんなに回覧したり、Kenはヴェネツィアへは何回か行っているので

 

その経験を話たりして、いいミーティングだった。(2018.10.16.)

 

●チェホフ全集12「シベリアの旅・サハリン島」(ちくま文庫)とコリン・サブロン著「シベリアの旅」(共同通信、2001年)

 

趣味のWikipedia編集で「ロシア連邦の道路」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E9%80%A3%E9%82%A6%E9%81%93%E8%B7%AF

を作っていて興味が沸き、図書館からチェホフ全集12「シベリアの旅・サハリン島」(ちくま文庫)とサブロン著「シベリアの旅」(共同通信、2001年;Colin Thubron, “In Siberia”, 1999)を借りてきて、余りにも詳しい「サハリン島」以外を速読した。チェホフの旅は18904月から77日かけて、まずモスクワからヤロスラブリまで汽車で行き、陸路7月にニコラエフスクに到着するまでの感想を書いた短編で、あまり詳しくなかったが、クラスノヤルスク手前のコズーリカ難所(Kozul’ka)の話は面白かった。サブロンの本はエカテリンブルクから始まってハバロフスクまで陸路を行き、そこから飛行機でヤクーツクとマガダンを訪れたもので、ロシアが経済的にどん底の時期で、その後石油で大いに潤った時期もあるので、旅行記としてはあまり参考にならない。(2018.10.01.)

 

J.D. Vance著『Hillbilly Elegy』(2016年)

 

11月のブッククラブの本『My Sister’s Bones』が面白くないので、先々週から12月の本、J.D. Vance著『Hillbilly Elegy』(2016pp. 269)を借りてきて、月曜日までには徐々にChapter 4まで読んだ。主人公のJ.D.が貧しいアパラチア山脈地方(ケンタッキー州Jackson)からオハイオ州Middletownへ移って、父はArmco鉄鋼会社で働き中産階級になるが、その鉄鋼会社も川崎製鉄との合併で息を吹き返すがやはりすぐ落ち目になり、おじいさん・おばあさんもオハイオ州に来てくれてそこへいつも逃げて育つ。国道25号(ディクシー・ハイウェイ、今は州間道路75号)を通って年に一度は故郷へ戻る姿は、日本の戦後の東北地方から東京へ移った人たちに似ている。

図書館で読み始めて、夕方にブッククラブの本『Hillbilly Elegy』を、15章と結論まで読了した。ケンタッキー出身で、オハイオ州に育った主人公J.D.が海兵隊へ志願して、人生で必要なことを学び、オハイオ州立大学を出て、さらにイェール大学法律学部を卒業して、オハイオ州へ戻り、結婚して子供が生まれるまでを自伝風に書いている。アパラチア地方や他地方の貧しい白人たちはいつも家庭内でも友達同士でもケンカをしていて、なぜ「アメリカの夢」を実現しようと努力しないか、両親のケンカで発生する「逆境的児童期体験」 ACEAdverse Childhood Experiences、別名:児童期トラウマChildhood trauma)などに関する意見が面白かった。(2018.10.26.)

 11時から図書館でブック・クラブの月例会があり、今月はもうだいぶ以前に読んでいたJ.D. Vance著『Hillbilly Elegy』(2016pp. 269)をKenが主催で批評しあう。彼はオハイオ州北部の出身で、ケンタッキー州の貧しい人たちが同州南部へ大勢移ってきて、独特の仲間をそこへ作っていく様を、ケンタッキーというと歌手Dolly Partonや、漫画『Li’l Abner』が代表でと紹介するので、多少分かった気分。何人かが、子供時代にケンタッキー出身のグループが、公民権運動時代に、黒人たちを優遇してなぜ俺たちをかまってくれないかと騒動を起こしたとか、ヒスパニックの子供たちが同じような騒動を起こしたとか、面白い議論が続いた。私はこういった田舎から東京への移動が日本でもあったなと思って言おうとも思ったが、タダタダ黙って聞いているだけだったが、面白い月例会だった。 (2018.12.18.)

 

 

 

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Created by Yoshi Mikami on February 27, 2018. Updated on Jan. 17, 2019.