電子ブックの作成と出版
Editing and Publishing an eBook
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2015年から2017年にかけて、電子ブック『Dalian
in Spring / 大連の春』を編集して、2017年7月にアマゾンからKindle版として出版した。その経験を以下に書いておこう。 電子ブックの目的
私は2013年に英中日本語三か国語の本『Spring
in Dalian / 大连之春 / 大連の春』を出版して、中国・日本・その他の国々の人々に見てもらうのには便利で、アマゾンからも販売されている本だったが、友達に見てもらうにも日本国内・米国・ニュージーランド・ヨーロッパまで郵送するので大変だった。3年ほど前に日本と米国の友人がアマゾンから電子ブックを出したのと、前々から著作権が切れた書籍を扱っている「青空文庫」 も少し利用していたので、電子ブックに多少慣れていたので、この本の増補版を作るのに電子ブックにしようと思った。 電子ブックの編集と読み
増補版電子ブックは始め日本の出版社から出るように企画して、そこの担当者は以前の本のファイル(Adobe
InDesign CS4)からエディター・ソフト「Sublime
Text」 を使って編集を始めた。途中で彼が興味をなくして遅れがちだったのと、このエディターはHTML言語を生で書いていくので大変で、途中から私が引き継いで、電子ブック編集ソフト「Sigil」 https://en.wikipedia.org/wiki/Sigil_(application) を使った。市販の『Amazon
Kindleダイレクト出版の技』(技術評論社、2014年)では、Microsoft
WordかSigilソフトでの編集が紹介されていて、別の『Amazon
Kindleストア 電子書籍出版』(インプレスジャパン、2013年)ではLibreOfficeソフト(私は5.3を使ってみた)に拡張機能Writer2ePubを追加しての編集が紹介されていて、またCalibreソフト https://ja.wikipedia.org/wiki/Calibre での編集もいい。私が試した中で、SigilでもCalibreでもブックビューとコードビューで編集できるので便利だ。世界的に使われている編集ソフトはこれら3つだが、日本語専用のソフトもいくつかあるようだ。ただし、なぜかSigil
0.9.8ソフトの「箇条書き」機能は働かなかったし、Calibre 3.19 [64bit]ではブックビューでは編集できなかった。 電子ブックは2007年以来国際電子出版フォーラムの世界的な規約ができて、2011年には「EPUB
3.0」が合意されていて、日本語などに必要な縦書きもできるようになっている。ただし、私は縦書きが嫌いで、青空文庫はすべて縦書きなので好きではない。 電子ブックが完成したら、Google
Chromeブラウザー(Readiumアドオン付き)、Microsoft
Edge、Adobe
Digital Edition、Firefoxブラウザー(EpubReaderが動かなかったのでLicifer拡張機能付き)などで自分のパソコンの電子ブック・ファイル(*.epub)を読んでいる。EdgeとReadiumでは車体文字がうまく出ず、Luciferでは斜体がうまく出るが、英文字が日本語字体で出て読みにくい。iPadに入れてiBooksソフトでも見たいのだが、パソコンからiTunesソフトでファイルがiPadへ移動できないオラブルがあり(いろいろな所で問題を起こしているらしい)、できないでいる。 特殊事情:電子ブック編集に関して、私の特殊事情があった。増補版は18のエピソード(中国新疆ウイグル自治区訪問、イスラエル巡礼記など)を追記しただけでなく、これまでの英語・中国語(簡体字=中国大陸用)・日本語に加えて中国語(繁体字=台湾・香港・華僑用)を入れたので、簡体字から繁体字への変換はここに記述した苦労をして、これに1年半かかってしまったことになる。 アマゾンへ登録前に旧著の紹介を変更
電子ブックをアマゾンへ登録前に、これまた私の特殊事情があった。これは『Spring
in Dalian』の増補版で三か国語が四か国語になるのだが、前の本の記述をこのように 三か国語に変えてもらって世界中のアマゾンで、英中日本語で見れるようにした。 アマゾンKindle版への変換
電子ブックの出版はアマゾンのKDP(Kindle
Digital Publishing)でも、AppleのiBookでも、いろいろあるようだが、現在は大体みなさんアマゾンで出版しているようだ。アマゾンのKindleハードウェアがなくても、通常のパソコン・タブレット(iPadなど)・携帯電話へKindleソフトをダウンロードして、 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/fd/kcp Kindle版電子ブックが読める。出版前に電子ブック・ファイル(*.epub)をアマゾンのソフト「Kindle
Previewer」でKindleファイル(*.mobi)」に変換して確かめられる。 注:私はその後知ったのだが、アマゾン用には電子ブック様式でなく、Microsoft
Wordで本の目次も含めたファイル(*.docx)を送ってもよくて、これを送って出版した友人もいた。また、Kindle版へ変換せずに、電子ブック版(*.epubファイル)をそのままアマゾンへ送ってもいい。 アマゾンKDPへの登録
2017年7月初旬に日本アマゾンのKDPへ入って、 Kindleファイルを送り、契約を見て、販売後支払われる販売代金受領用の銀行口座を書き(ブラジルとメキシコは日本の口座が使えないというので、あとでハワイの銀行口座も登録)、米国の税金に関する登録もして、翌日くらいに日本アマゾンKindle版での販売が始まり、 翌々日くらいに他国のアマゾンでの販売も始まった。 https://www.amazon.com/Yoshi-Z.-Mikami/e/B073JF7VRM/ 米国アマゾン https://www.amazon.co.uk/Yoshi-Z.-Mikami/e/B073JF7VRM/
英国アマゾン https://www.amazon.in/Yoshi-Z.-Mikami/e/B073JF7VRM/
インド・アマゾンなど 残念ながら中国アマゾンは海外の著者の本は扱わないし、台湾アマゾンは存在せず「博士客来」( http://www.books.com.tw )などがあり、これには将来別登録が必要。香港アマゾンも、韓国アマゾンも存在しない。 販売開始後の原稿修正・入金・KDP Select
販売開始してからすぐアマゾンKDPから連絡があり、英語にミススペルが3つあると連絡があり、2つは直し、残りは無関係なので無視。その後も特に新しく追加した中文(繁体字)に不都合が見つかり、2か月以内に3回も修正版を出して、各修正は48時間以内にダウンロードできるようになるというメッセージをもらった。 私はアマゾンで電子ブックを出版した人ふたりと、電子ブックに前からなじんでいる人をひとり知っている。彼らに販売版のレビュー、アマゾンの契約について彼らの経験をいろいろ聞けて助かった。 また出版後、私のノートパソコン、iPad、携帯電話へ日本アマゾンからダウンロード、娘の白黒Kindleへ米国アマゾンからダウンロードして内容を確認した。 アマゾンでは「KDP Select」という「アマゾンが宣伝します、ただし著作権は最低3か月あずかります。」という制度があり、将来はApple社のiBooksなどにも登録するつもりなので、これは使おうか迷っていて、4回目のファイル更新の時にKDP Selectの詳細を見たら、どうやらデフォールトでそれになったらしく、まあいいだろう、12月中旬にはiBooksへも登録しよう。初登録して2か月目に、何冊か売れたので近々入金しますといってきた。 電子ブックを読んでいる人は少ない
電子ブックは徐々に普及しているが、電子ブックを読んでいる人は極端に少なくて、おそらくFacebookの友達の100~500人に一人くらいが利用しているだけではなかろうか。それで友人に購読を勧める際には、アマゾンの無料Kindleソフト https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/fd/kcp を教えて、これをダウンロード入れればKindleハードウェアがなくても、パソコン・タブレット(iPadなど)・携帯で読めるようになりますと勧めることにしている。 増補版の書籍をどうするか?
増補版の書籍をこの電子ブック出版後3か月後にしてくださいと出版社にいってあるが、原稿は私がInDesignソフトで用意するか、出版社の編集人へ編集内容を伝えなければならないので、その元気があるかどうか今分からない。(以上は2017.09.29.) 増補版の書籍は上に書いた電子ブック版から2年遅れて2019年8月20日に出版・販売登録されて、Amazonの三上吉彦著者ページからアクセスできる。増補版の電子ブック版・書籍版への感想は、初版への感想に較べてまだ少ない。(2019.12.21.記述) シリーズとしての今後
私はこれまで4冊の本を出版していて、Amazonの三上吉彦著者ページに登録されている。この『大連の春』増補版はシリーズ『Three
Countries in Spring / 三国の春』の第一冊目ということにして、将来同シリーズの『Hawaii Island
in Spring / ハワイ島の春』と『Shonan in Spring / 湘南の春』を書いてもいいかなと思っているが、その計画はほかの計画もあるので具体的には至ってない。 |
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Yoshi Mikami on August 24, 2017. Update on Sept. 29, 2017 / Dec. 21, 2019.