2003年10月29日 大連広衆科技諮詢発展有限公司 岡田稔 日 時;2003年10月23日、16:00〜18:00 場 所;大連広衆科技諮詢発展有限公司 会議室 参加者数;17名 内 容; 1.挨拶、(牛島会長) 1)9月26日〜29日のソフトウェア交易会の交流活動; 当ITクラブに対し大連市政府から正式招待があり、我々の活動が市政府 によって認知されたことは今後の活動に有意義なことであった。 2)27日開催の神奈川県−遼寧省懇談会の‘日中ビジネスの障害を解消するため に’というパネルディスカッションは内容の濃いものであった。 特に、ウッドベ ル社の鈴木社長の提唱した営業活動からソフト開発、納品、入金までのビジネスロ ジックは、日中双方にとって考慮すべき要点であった。 3)ソフトウェア交易会参加の神奈川県の会社から大連ITクラブ・神奈川支部の 設立意向が伝えられ、会則〔案〕の検討段階に入っている。当ITクラブの援助と 協力を期待しているとの相談を受けた。 2.連絡事項、(三上副会長) 1)27日開催の神奈川県−遼寧省懇談会の‘日中ビジネスの障害を解消するため に’というパネルディスカッションの準備、司会にあたり、ITクラブ会員のご協 力ありがとうございました。 2)1月17日に東京で日本の情報サービス産業協会(JISA)と中国軟件行業 協会(CISA)の日中懇談会が開かれます。その前後1週間は、大連のソフトウェ ア企業が大勢日本に出張して企業訪問をする予定です。 3) 新規入会者の紹介、5名 3.大連広衆科技諮詢発展有限公司、(ケイ・憲広総経理) 1) 会社概要、ブローシャの配布と内容説明 2) 特に協調したい技術活動の紹介、ネットワークを利用した大衆向けの広告 活動、娯楽番組の提供、地下鉄、バス等交通機関への利便性を追求。 ユビキタス社会を目指している。 4.講演‘TRONとユビキタス社会の実現’(INTER-DB.CO., 山田登一郎社長) 山田社長を今回特に日本から招聘しました。内容は以下の通りです。 TRONは東大の坂村教授が開発した Real OSで、 1984年 から実用化がスタートした。従来は自動車、生産機器、家電、通信機器、制御機器 などへの組込みOSとして利用されてきた。(iTRON,uiTRON等)。B TRONはPC用のものであり、圧倒的な動作速度、驚異的なデータ処理能力を持っ ているが、通信制御が弱いこととアメリカからの外圧があって一般への普及に至ら なかった。しかし、大型サーバー用(CTRON)や携帯電話用、自動車のブラッ クボックス用、家電の複雑な機能のコントロールOS(uiTRON)という分野 は驚異的な速度で浸透し、日本の家電や携帯電話、自動車という分野が世界で最高 水準を保っている原動力となっている。家電業界でのTRON占有率は70%と言 われている。 このような中で登場したのがJTRONで、TRON上でJAVAが実行可能とい う特性を持ち、ネットワークとTRONの融合や多用な環境下での利用が簡単にで きるようになってその優位性が更に高まってきている。 最近では、ユビキタス情報社会(どこでもコンピューティング)をサポートするた めにeTRONが登場し、従来の概念を超越したコンピューティングが実現されつ つある。 このテクノロジーは多用なネットワーク、多用な機器間の高速データ移動を可能に し、微小なチップに組み込みができるため未来社会のOSと言っても過言でなく、 又、これからの日常生活を大きく変えてしまう可能性を秘めているので、ITの ‘第3の波’と言われている。 第1の波はホストコンピューティング。1台のコンピュータを多数の人が使う仕組 みであり固定端末のみがツールであった。第2の波はパーソナルコンピューティン グ。1人が1台のコンピュータを使用し、WINDOWSやUNIXというOSが 主力となった。そして、第3の波の到来でTRON技術を利用すれば、1人が複数 のコンピュータを意識せずに使うユビキタス社会が実現する。端末はもはやコンピュー タと呼ばれる特別なものではなく、日常使っているものにチップの形で配置され、 常にネットワークに接続されている状態である。 時計、クレジットカード、携帯 電話、冷蔵庫、車、風呂、寝具、商品、書籍、衣料、機械等々すべてのものにチッ プが組み込まれてネットワークに接続されているので利用者はコンピュータを意識 する必要がない。 このような利用形態になると、多機能/大容量で、立ち上がり動作の遅いWindo wsやUNIXではその要求に応えることは不可能である。唯一、チップに組み込 んで超高速で動作するTRON、中でもあらゆるネットワークに電子的に対応する eTRONのみがこれに対応できるOSである。そのため、マイクロソフト社もよ うやくTRONに注目し始めている。eTRONを中国市場に浸透させるには、先 ず技術者の教育から始めなくてはならない。 * このITクラブ例会の参加企業には携帯電話の組み込みソフトを開発している ところもあって、参加者からの質疑応答が活発に行われた。 5.次回の例会開催は12月11日(木)。 幹事会社は大連信雅達軟件(Dalian Sunyard Software,軟件園)。テーマは会員か らの提案を募集し、11月末までに決め案内状を配布する。 6.懇親夕食会、 例会終了後、恒例のインフォーマル食事会を開催。 希望者のみ14名、会場近く のレストラン(好享来)で当店自慢のビーフステーキを食べ、冷えていないビール を飲みながらコミュニケーションを楽しんだ。 以上