1)昨日お借りした「ペトロフ事件」、読了しました。多少仕事が暇だったこともありましたが昼休み以降、中盤を過ぎてからとまらなくなり一気に読み終えました。なんといっても第一は、この大連が舞台になっていることですね。大連市内、夏家河子、沙河口、旅順など土地勘があるので、実感がわいてきます。最後の舞台となったハルビンの太陽島、松花江などはまさに今年の1月、ハルビン氷祭りのときに訪れた場所でした。
大連市内の町名、地名や新京(長春)
奉天(瀋陽)など歴史を感じさせます。実は私の叔父は当時、満鉄の機関士をしており、いとこは営口市で生まれたのです。戦後は引き上げた後、粕壁(現在の春日部市)に住み東武鉄道に勤務しておりました。数年前にいとこに会ったとき、当時営口に住んでいた人たちが集まって営口の市外図を作成している話などを聞きました。時刻表のトリックはナタリヤとともに解決に挑戦し見破りましたが、さすがに真犯人は分りませんでした。
解説に有りましたが、鮎川哲也の作品で満州時代の事件として以下の短編があるそうです。「楡の木荘の殺人」と「悪魔が笑う」。こちらも機会があれば是非読んでみたいと思います。川口順一 (2010.07.06)
2) 「ペトロフ事件」は、まだ最初のところだけ読んだだけですが。いきなり、夏家河子の描写が出てきて引き込まれました。夏家河子は小学生のころ、小高い丘陵に父の友人の別荘があり 泊まりがけでよく行きました。家で水着を着てそのまま海岸まで走って行き、子供にも人気のある遠浅の海岸で遊びました。小説の描写が手に取るように昔のことを思い出させてくれました。 牛島五郎 (2013.06.28.)
1) 大連に関する本には清岡卓行の「アカシヤの大連」など、鮎川哲也の「ペトロフ事件」は分っていて持っているが、井上ひさしが劇「連鎖街のひとびと」(2000年)、「円生と志ん生」(2005年)を最近書いたことを知った。きっかけになったのは友人が「井上ひさしの大連、写真と地図で見る満州」(こまつ座との共著、小学館、2002年)を貸してくれて、彼は大連にいたことはなかったが大連の絵葉書などの収集家で、最近上の劇2編を書いている。
さっそく藤沢市の図書館で「円生と志ん生」をみつけて読んでみた。終戦直前に満鉄の子会社に呼ばれて満州で落語を始めたらすぐ敗戦になり、大連へ逃げ帰って、そこで翌々年の1月に帰国するまでに、ふたりがそれぞれの生活をして、密航船にだまされたり、修道院でイエスとマタイに間違えられたりしながらの、大連の生活を描いたもので、当時の大連の模様をよく調べて書いている。もうひとつの劇「連鎖街のひとびと」は予約したので来年早々読んでみると同時に、これら2編は最近上演もされているので機会があれば見てみよう。 三上吉彦 (2012.12.28.)
2) 大連にゆかりの深い 志ん生さんは最近でも数回は大連に来ており、商工会が仲介して講演しています。 牛島五郎 (2013.06.28.)
『連鎖街のひとびと』(こまつ座2000年初演)
先々回書いた井上ひさし著『円生と志ん生』に続いて、市内の別図書館に予約しておいた彼の本『紙屋町さくらホテル』を入手したので、そこに含まれている「連鎖街のひとびと」(こまつ座2000年初演)を読んだ。(図書館の端末から予約して、本が届くとインターネットで知らせてくれるのを初めてやってみた。)連鎖街は大連駅前のいまは青泥窪橋と呼ばれているところで、いまも商店などが並ぶ繁華街だ。戦後すぐそこの今西ホテルに缶詰めにされたふたりの劇作家が、大連を占領中のソ連軍司令部に頼まれてソ連から来る訪問客の歓迎用の劇の創作を強要され、気が進まぬままもと満州国文化担当官と白系ロシア人娘と大連中央放送局管弦楽団副団長も登場してのドタバタの中でオペレッタ「シベリアのリンゴの木」を完成するが、ソ連軍は軍内に赤軍合唱団もと団員が何人かいるのを発見して「赤軍合唱団の夕べ」に替えてしまい、この劇を採用しなくなったというような内容。当時の大連が面白くよく描かれていて、大変興味があるものだった。 三上吉彦 (2013.01.07.)
終戦後の600日間は、日本政府にも見離された邦人が、どのような暮らしをして どのような事件に巻き込まれていたのかをつぶさに描写しております。私の中学校時代の1年先輩の女性(父親は大連高商の校長)が著者です。 牛島五郎 (2013.06.28.)
葫芦島在留日本人大送還に関して、第二次大戦直後に旧満州に残された160万人の日本人のことを3人の若者が当時ソ連に占領された地域から脱出して、日本政府・マッカーサー元帥・世界へ訴えて、やっと大送還が始まった。その物語の中でも、大連が大きな役割を果たした。
小学生の時から1937年までの「古き良き時代」を大連で過ごした著者が、詳しく回顧しながら書いている。
With Dahei Mountain in the Back
Regarding The Japanese Repatriation from Huludao, this book tells about the three young Japanese who escaped from the Soviet-occupied Manchuria and told the world about a million six Japanese who were trapped there right after the end of WWII. Dalian clearly played a key role in their escape. Based on the earlier books in Japanese by K. Maruyama (1970) and M. Musashi (2000) and other sources.